多発性骨髄腫という病気⑬

親の病気
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母は多発性骨髄腫という血液のガンになりましたが、複数個所の圧迫骨折と二度の化学療法を乗り越え不死鳥の如く生き続けております。今まで病気や怪我なのほとんどしたことがなかった母の闘病記を多発性骨髄腫という病気①から書き綴っています。聞きなれない病名なので、ブログ上に残しておくことで同じ病気になられた方の参考や希望につながればいいなと思います。

セイメイ
セイメイ

前回は二度目の化学療法後の経過までお話ししました。

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今度は救急車で

化学療法が上手く行き、以前のようにしんどさから寝込んでしまう日も少なくなりました。でも、よく歩いた日など運動量が多くなると疲れがひどくなるそうです。でも、これは仕方のないことです。多発性骨髄腫という病気は完治が難しく、化学療法が上手く行ったからと言ってもそれは『ガンの進行を遅らせている』に過ぎないのです。ですから、ガンはガンでゆっくりながらも進行しているという状態でした。
その様な中で、私が終活の話を両親を前にして何度かしていました。父は一向に何もしようとしませんが、母は少しだけ身辺整理をする気になっていました。そしてある日、父から一本の電話が…
父:「お母さんが階段から落ちたみたいで動けへん言うてるんや」
近くに住む私は、すぐに実家へ駆けつけました。
階段の一番下で腰かけるように座っていた母に「どないしたんよ?」と聞くと「最後の一段を踏み外してお尻から落ちた」と。続けて「ちょっと休んだら動けるようになる…と思う」
私は『何を悠長なこと言ってるんや』と思いながら、大腿骨の骨折もしくは骨盤の骨折を疑いました。移動させるにも痛がるし、どうしようもない状態でしたので日頃からお世話になっているかかりつけ病院の訪問看護師の方と連絡を取り、救急車を要請することになりました。
搬送先は多発性骨髄腫でかかっている病院の整形外科で診察していただけることになりました。
結果は『左大腿骨転子部骨折』(※以下、大腿骨骨折)でした。高齢の女性によくある症例です。

手術できるのか?

多発性骨髄腫の治療の時に化学療法で入院したことはあるものの、圧迫骨折の時は自然治癒でした。そのため、母には手術を経験したことがありません。もともと多発性骨髄腫で骨がもろくなっているうえ、年齢もすでに77歳と高齢になって体力も落ちてきていることから整形外科の医師の口からも簡単に「手術します」とは言えないような状況でしたので、多発性骨髄腫でお世話になっている血液内科の主治医の判断が必要でした。
主治医からは「骨折は手術しなくても治るかもしれないけど、寝たきり状態になる可能性が高いです。手術するにしても、できるかどうかを血液検査と内臓系に問題がないか検査する必要があります」と伝えられ内心穏やかではありませんでした。もし手術できなければ寝たきりになってしまうのかと。いよいよ介護が本格的になってしまうのではないかと不安でした。

手術とリハビリの日々

血液検査やその他もろもろの検査の結果、手術をしていただけることになりました。
手術当日は予定どおり進み、無事成功しました。(立ち合いは父)特に問題もなく終わったそうです。
そのまま1週間程度入院して、その後リハビリ目的で他の病院へ転院という形になるため、転院日には私も付き添うことになりました。当日、久しぶり(コロナ禍で面会できず)に母と会いましたが、表情が冴えません。体調がすぐれないのかと思いきや、慣れ親しんだ病院から次の病院へ移るのが不安で仕方なかったそうです。(本人が後でそう言ってました)
転院先はリハビリ入院で最長3ヶ月。一応、大腿骨骨折前の歩行状態に近づけるという目標でお世話になりました。入院期間中は面会できず、連絡は携帯電話のみでしたが、同じ病室の方に仲良くしていただいたそうで楽しく過ごせたみたいでした。そして、入院が11月末でしたので母は77歳にして初めて正月を病院で過ごすことになりました。『まったく味気のない正月やったわ』というのが本人の感想です(笑)
そしてリハビリも順調に進み、予定の3ヶ月よりも数日早い2月中旬に退院することができるようになりました。今後の自宅での生活についてはケアマネージャーを中心に話し合いを持ち、杖を現在の一本杖から四点杖に変更するくらいでその他は今までどおりの生活を送るということくらいでいけるという話にまとまりました。
四点杖イメージ

しかし、またまた不死鳥の如く蘇りました。今回の大腿骨骨折で車椅子生活を覚悟していただけに、本当に嬉しかったです。本人がリハビリを頑張ったことによる結果だと思います。車椅子生活であれば、かなり行動範囲が制限されると同時に体力の衰えも進行するだろうと考えていたので。この母はいったいどこまで生きるのでしょうか?すごい生命力ですわ。   つづく


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